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2008年9月23日火曜日

小説っぽく。

ザ・シリーズ物に。できるかな?



じゃあ早速。

第1回。

 過去に飛べたり未来に飛べたりするマシンも、青く輝く猫形人造人間も、毎年還暦の1年に1度しか働かない白ひげボランティア爺もこの世の中じゃ絶対にあり得ないというのは、もう記憶も無いほどとうの昔に知っていたはずだった。人間生きていればいろいろあるとは言うが、さすがに何も無さ過ぎる。しかし俺は平々凡々な日々に飽き飽きしつつも喜びを感じていた。何も無い1日、朝起きるのも、学校でどうでもいい方程式を解くのも、答えのわからん宿題ドリルの答えを写すのも、俺にとってはどうでもいいことに過ぎなかった。おそらくほか多数のこの面子もだろう。第一、方程式なんざ知らなくてもよすぎる。いちいちスーパーでメモ用紙にx+y=aとか書いているヤツを俺は見たことがない。そんなろくでもなんともない(本当に無い)1学期が過ぎ、いよいよメインシーズン、夏期長期休業の到来だ。朝12時に起きても、4時に寝ても文句を言われない。すばらしい季節がやってきた。ただ自室のドアがあくまでは。
 過去に飛べたり未来に飛べたりするマシンも、青く輝く猫形人造人間も、毎年還暦の1年に1度しか働かない白ひげボランティア爺もこの世の中じゃ絶対にあり得ないというのは、もう記憶も無いほどとうの昔に知っていたはずだったのは今日までだった。終わった。平和が。嗚呼、すばらしき夏期休業よ。俺はそれらと永遠の別れをしなければならないのか。何故こうなったか。回想モード、ON。

 ガチャリと音がして部屋のドアが開いた。時刻は朝7時。起きているはずが無い。誰だこんな時間に挨拶も無く無礼なヤツだ。親か?予定でもあったか?今日は。そんなことを覚醒していないおつむで計算してもせいぜいクルマのウインカーをコントロールするICにも満たない結果が出るのはわかっているから俺は脳のコマンドプロンプトにexitと入力してエンターキーをぶっ叩いた気がした、瞬間に頭もぶっ叩かれた。・・・ぅ・・・ぅうぅうぅぅぅ・・・・ぅうううううおおおおおおおおお!痛いなあ!朝っぱらからよぅ!半分切れているのは寝起きが悪いいつもと同じととらえてくれ。しかしこのときばかりはまだ脳だけが覚醒していた。要するに、夢の中である。うう・・・どっちが上だ??方向感覚が、ああああ!ベッドが1回転!落ち・・・ねえ。
 さらに何時間寝ていただろうか。脳が再び覚醒する、というか意識を回復したのはなんてことは無い。すぐであった。時計は7時2分をさしている。うん、また寝ようと真空管アンプ並みの脳が結果を出した。すぐに眠れた。頭も全く痛くない。謎はドアを開けたのは誰かぐらいの物だ。ただ、その時の俺には全くどうでもいいことだった。またドアが開いた。99%眠っている俺にはああ、開いたねくらいのことしか考えていなかった。間違いだった。
 誰かがこの狭い折りたたみ式のシングルベッドに入ってきた。瞬間に甘い香りが鼻腔をつつく。共に腕に抱きついてきたそいつは柔らかい感触をつれて体を触ってきやがった。何?これ?3秒間静止した後、俺の脳はスリープから復帰したPCのように覚醒した。
「うわあああ」
と俺。
「きゃあああ」
とそいつ。
殺風景な部屋に高い女声が響く。
「うわ?えええ?」
まだ理解しきってない俺は何も考えていなかった。
「私がいちゃ駄目ですか?」
どっかで見たことあるぞ。こんな光景。ステレオタイプを絵に描いたような出会いだな、こりゃ。窓をあけた俺は愕然とした。外が無い。おそるおそるドアを開けて見る。灰色の、まるでコンクリートのような光景が広がって、触ってみると水のように波紋が広がった。それでも鉄板のように固かった。振り返った俺は思わず卒倒しそうになったぜ。こんなことが真面目にあるんなら俺はさっきの発言をすべて前言撤回しなければならない。
 笑えねえよ。

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